問い合わせ対応をAIで効率化するには?Backlog・Mattermost・生成AIを組み合わせた活用例

これまでMattermostとAIの活用について、情報の要約や検索など、日々の業務の中でAIを使う方法をご紹介してきました。
AIに質問したり、情報を整理してもらったりするだけでも便利ですが、もう一歩進んで、普段の業務の流れそのものにAIを組み込むという使い方もあります。
その一例が、問い合わせ対応です。
問い合わせを受けたあとには、次のような作業が発生します。
- 過去の問い合わせや対応履歴を確認する
- 関連する資料やマニュアルを探す
- 必要に応じて社内の担当者へ確認する
- 確認した情報をもとに回答を作成する
こうした作業を、Backlog・Mattermost・生成AI・RAGを組み合わせてつなげることで、問い合わせの記録、チーム内での共有、回答作成の支援までを一つの流れにすることができます。
今回は、ヴィセントでの活用例をもとに、問い合わせ対応にAIを組み込む方法をご紹介します。
この記事はこんな方におすすめです
- Mattermostを業務で活用している、または活用を検討している
- MattermostとAIを組み合わせた活用方法を知りたい
- 問い合わせ対応にかかる時間を減らしたい
- 過去の問い合わせや対応履歴を活用したい
- 担当者ごとに分かれている問い合わせ情報をまとめたい
- AIを実際の業務に取り入れたいが、どこから始めればよいか分からない
問い合わせ対応で、こんな手間はありませんか?
問い合わせが来たとき、質問そのものに答えるだけでなく、回答するための確認作業にも時間がかかります。
- 「以前、同じような問い合わせはなかったか」
- 「関連する資料やマニュアルはどこにあるか」
- 「過去にはどのように回答したか」
- 「この内容は誰に確認すればよいか」
このような情報を探してから、回答をまとめることがあります。一つひとつの問い合わせには対応できても、件数が増えると、こうした確認や情報共有の積み重ねが負担になってきます。
そこで、問い合わせを受けてから回答するまでの流れを整理し、その中にAIを組み込む方法があります。
今回の活用例では、問い合わせを記録する → AI・RAGで回答案を作る → Mattermostに共有する → 担当者が確認して回答するという流れを作っています。
Backlogを問い合わせの記録場所にする
まず、メールでの問い合わせの内容をBacklogに自動で登録します。
メールで問い合わせを受けたあと、そのままメールだけで対応するのではなく、問い合わせを記録として残しておくことで、あとから過去の対応を確認することもできます。

問い合わせを「その場で回答して終わり」にするのではなく、まず記録として残しておくことが、後から情報を活用するためのポイントになります。
生成AIとRAGを使って回答案を作る
Backlogに登録された問い合わせ内容をもとに、生成AI・RAGが回答案の作成を支援します。
RAGを組み合わせることで、あらかじめ登録しておいた資料や文書の中から問い合わせに関連する情報を検索し、その情報をもとに回答案を作成することができます。
今回の活用例では、生成AIにChatGPTのAPI、RAGにはRAGFlowを使用しています。
AIに毎回ゼロから回答を考えてもらうのではなく、関連する情報を探したうえで回答案を作成することで、担当者が行っていた情報確認や文章作成を支援します。
Mattermostに問い合わせと回答案を共有する
AI・RAGによって回答案が作成されると、問い合わせ内容と回答案がMattermostに投稿されます。

Mattermostでは、問い合わせ内容とAIが作成した回答案をチーム内で確認できます。
AIの回答案を担当者が確認して回答する
ここで重要なのが、AIが作った回答をそのまま顧客に送るわけではないという点です。AIが作成した回答案を担当者が確認し、必要に応じて修正したうえで正式な回答を行います。
次のような役割分担です。
AI:情報を探す・回答案を作る
Mattermost:問い合わせと回答案をチームで確認する
担当者:内容を確認・修正して回答する
AIにすべてを任せるのではなく、担当者の確認を残したうえで、情報収集や回答作成の負担を減らしていきます。
問い合わせ対応の流れ
ここまでの流れをまとめると、次のようになります。

- 問い合わせを受ける
- メールで問い合わせが届く
- Backlogに記録する
- 問い合わせ内容を課題として登録
- 生成AI・RAGで回答案を作る
- 関連する情報を検索し、回答案の作成を支援する
- Mattermostで共有する
- 問い合わせ内容をチーム内で共有する
- 担当者が確認して回答する
- AIの回答案を確認・修正し、正式に回答する
このように、それぞれのツールを単独で使うのではなく、問い合わせを受けてから回答するまでの流れをつなげることがポイントです。
AIを使うことで、問い合わせ対応はどう変わる?
AIを導入すると聞くと、「AIに回答してもらう」という使い方をイメージするかもしれません。
今回の活用例では、AIに回答をすべて任せるのではなく、
記録 → 情報検索・回答案作成 → 共有 → 人による確認
という一連の流れの中でAIを活用しています。
このような仕組みにすることで、以下のようなことにつなげられます。
- 問い合わせの見逃しを防ぐ
- 対応状況を把握しやすくする
- 回答作成を支援する
- 問い合わせや対応に関する情報を蓄積する
AIを「質問に答えてくれるツール」としてだけ見るのではなく、普段の業務のどこを手伝ってもらうかという視点で考えることがポイントです。
問い合わせ以外の業務にも応用できます
今回のような仕組みは、問い合わせ対応以外にも応用できます。
- 施設からの問い合わせ
- 社内ヘルプデスク
- 障害・不具合の対応
- 各種申請・依頼
いずれも、情報を受け取る → 内容を確認する → 必要な情報を探す → 担当者が対応するという流れがあります。
こうした業務の中で、情報を探したり、過去の対応を確認したりする作業に時間がかかっているのであれば、AIを活用できる可能性があります。
Backlogを「記録・共有・AI活用」の起点に
Backlogは、プロジェクトやタスクを管理するためのツールとして利用されることが多いですが、今回の活用例では、問い合わせを記録する場所として使っています。
問い合わせをBacklogに記録し、生成AIやRAGで回答案を作成したうえでMattermostに共有することで、「記録する」→「AIで活用する」→「共有する」という流れを作ることができます。
AI活用というと、「AIに何を質問するか」「どんなプロンプトを書くか」といったところから考えることが多いのではないでしょうか。普段の業務を見ながら、「この作業をAIに手伝ってもらえないか?」と考えてみることも、AI活用のきっかけになります。
まずは、日々行っている問い合わせ対応など、身近な業務からAIを組み込める場所を探してみてはいかがでしょうか。
Backlog・Mattermost・生成AIを組み合わせた業務改善についてご相談ください
「AIを使ってみたいけれど、実際の業務にどう組み込めばよいか分からない」
そんな場合は、まず現在の業務の流れを整理するところから始めてみてはいかがでしょうか。
ヴィセントでは、Mattermostを中心とした情報共有に加え、Backlogや生成AI、RAGなどを組み合わせた業務活用についてもご相談いただけます。
「問い合わせ対応を効率化したい」
「社内に蓄積された情報をAIで活用したい」
「MattermostとAIを組み合わせてみたい」
といったご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
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