Mattermostはどんな環境で構築できる?構成例と比較検討のポイントを解説

「Mattermostを導入したいけれど、どのような環境で構築すればよいのだろうか」そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
Mattermostはオンプレミス型のビジネスチャットとして知られていますが、実際にはAWSや仮想環境など、さまざまな環境で構築できます。また、利用規模に応じて段階的に拡張できることも特徴です。
本記事では、Mattermost公式ドキュメントを参考に、代表的な構成パターンと環境構築の考え方をご紹介します。
Mattermostの構成は利用規模に応じて拡張できる
Mattermostは、利用者がアクセスするクライアント、Mattermostサーバー、データベースやストレージで構成されます。小規模な検証環境から全社利用を想定した高可用性構成まで、利用人数や運用要件に応じて段階的に拡張できることが特徴です。まずは代表的な構成例を見ていきましょう。
小規模環境(〜50名)の構成例
検証環境や部門利用を想定したシンプルな構成です。Mattermost公式ドキュメントでは、1,000ユーザーまでの環境に対して1 vCPU・2GB RAMが最小要件として案内されています。本記事の数値は、その情報を参考に一般的な利用を想定した構成例として記載しています。
構成例
- Mattermost
- PostgreSQL
1台のサーバー上で運用します。
構成の目安
| 項目 | 構成例・目安 |
|---|---|
| CPU | 1〜2コア |
| メモリ | 2〜4GB |
| ストレージ | 50GB〜 |
| 構成 | シングルサーバー |
中規模環境(50〜200名)の構成例
社内チャットとして本格的に利用する場合の構成で、利用者数や添付ファイル量が増えても対応しやすく、多くの企業で採用されます。
構成例
- Mattermost Server
- PostgreSQL
- オブジェクトストレージ(S3など)
アプリケーションサーバーとデータベースを分離して運用します。
構成の目安
| 項目 | 構成例・目安 |
|---|---|
| CPU | 2〜4コア |
| メモリ | 4〜8GB |
| データベース | PostgreSQL分離 |
| ファイル保存 | NASまたはS3 |
大規模環境(200名以上)の構成例
全社利用や複数拠点での利用を想定した構成です。
構成例
- Load Balancer
- Mattermost Server × 複数台
- PostgreSQL冗長化
- Redis
- OpenSearch / Elasticsearch
- オブジェクトストレージ
構成の目安
| 項目 | 構成例・目安 |
|---|---|
| CPU | 4コア以上 |
| メモリ | 8GB以上 |
| 構成 | 高可用性クラスタ |
| DB | レプリカ構成推奨 |
特徴
- サーバー障害時も継続利用可能
- 負荷分散による性能向上
- メンテナンス時の影響を最小限に抑えられる
Mattermost Enterpriseでは高可用性構成がサポートされており、利用者数の増加にも柔軟に対応できます。
構成規模ごとの違いを比較
ここまでご紹介した構成例を比較すると、利用人数や運用要件によって必要な構成が変わることが分かります。
| 項目 | 小規模環境 | 中規模環境 | 大規模環境 |
|---|---|---|---|
| 利用人数の目安 | ~50名 | 50~200名 | 200名以上 |
| 主な用途 | PoC・部門利用 | 社内利用 | 全社利用 |
| サーバー構成 | 単一サーバー | DB分離構成 | 高可用性構成 |
| 可用性 | ★☆☆ | ★★☆ | ★★★ |
| 拡張性 | ★☆☆ | ★★☆ | ★★★ |
| 運用負荷 | 低 | 中 | 高 |
利用人数だけでなく、障害対策や将来的な拡張性も考慮して構成を選定することが重要です。
AWSを利用した構成例
MattermostはAWS上でも柔軟に構築できます。

※本構成は弊社のMattermost導入支援における実際のAWS構成例であり、約2,000人規模で運用された実績があります。
構成内容
- Application Load Balancer(ALB)
- Mattermost Application Server
- Amazon RDS(PostgreSQL)
- Amazon S3
- Amazon CloudWatch
利用者はALB経由でMattermostへアクセスし、メッセージデータはAmazon RDSへ保存されます。添付ファイルはAmazon S3へ保存されるため、ストレージ容量を柔軟に拡張できます。
AWS構成のメリット
運用負荷を軽減できる
Amazon RDSを利用することで、バックアップや障害対策などの運用負荷を軽減できます。
ストレージを柔軟に拡張できる
添付ファイルをAmazon S3へ保存することで、利用者やデータ量の増加にも対応しやすくなります。
本番環境と検証環境を分離しやすい
環境の複製が容易なため、バージョンアップや設定変更の検証を行いやすくなります。
構成を検討する際によくある相談
Mattermostの構成検討では、利用人数やサーバースペックだけでなく、運用要件や既存システムとの連携について相談をいただくことがあります。
- サービス稼働率99.9%などの要件を満たすためには、どのような冗長構成や高可用性構成が必要か
- 利用人数や運用方針に応じて、どのような構成を選択すべきか
- Active Directory(AD)やLDAP、シングルサインオン(SSO)と連携できるか
- Splunkなどのログ管理システムと連携し、監査証跡を管理できるか
Mattermostの構成は利用人数だけで決まるものではありません。求められる可用性や認証方式、監査要件によって最適な構成は変わるため、導入前に運用要件を整理しておくことが重要です。
まとめ
Mattermostはオンプレミス、仮想環境、AWSなど、さまざまな環境で構築できます。
また、小規模な試験導入から高可用性を備えた大規模構成まで、利用規模に応じて段階的に拡張できることも特徴です。
構成を検討する際は、利用人数だけでなく、可用性、認証連携、監査ログなどの運用要件も確認しておくことが重要です。
自社に最適なMattermost構成を検討したい方へ
- 自社に必要なサーバースペックを知りたい
- AWSとオンプレミスのどちらに適しているか相談したい
- AD連携やSSOに対応できるか確認したい
- 可用性要件に応じた構成を相談したい
利用人数や運用要件によって最適な構成は異なります。
ヴィセントでは、Mattermostオフィシャルパートナーとして、構成設計から導入・運用まで支援しています。
「自社の場合はどのような構成が適しているのか知りたい」という方は、お気軽にご相談ください。
参考資料
本記事はMattermost公式ドキュメントを参考に作成しています。
- Application Architecture
https://docs.mattermost.com/deployment-guide/reference-architecture/application-architecture.html - High Availability Cluster-based Deployment
https://docs.mattermost.com/administration-guide/scale/high-availability-cluster-based-deployment.html
※記事内の「構成例・目安」は公式ドキュメントを参考にした一般的な利用シーンの例であり、実際に必要となるスペックは利用人数、投稿量、ファイル保存量、検索利用状況などによって異なります。
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