Mattermostの「Entry Edition」とは?Team Editionとの違いや機能を整理してみた

はじめに
Mattermost v11では、新しく「Entry Edition」が追加されました。
これまでの構成は、
- Team
- Professional
- Enterprise
- Enterprise Advanced
という形でしたが、v11から無償版の構成が少し整理されています。
実際に見ていくと、「Entry Editionって何のためのもの?」「Team Editionとどう違うの?」と迷うポイントもあります。
特に今回のポイントは、無償版の役割が整理されたことです。
その結果として、「用途ごとに分けて使う前提の構成」になっています。
Mattermostのプラン構成
現在のMattermostは、以下の構成になっています。
| エディション | 料金 | 概要 |
|---|---|---|
| Entry Edition | 無償 | 検証・評価向けの無償版 |
| Team Edition | 無償 | OSSベースの無償版 |
| Professional Edition | 有償 | 企業利用向けの認証・管理機能 |
| Enterprise Edition | 有償 | 大規模運用・高度セキュリティ対応 |
| Enterprise Advanced Edition | 有償 | コンプライアンス・統制強化向け |
Entry Editionは新しく追加された無償版ですが、従来のTeam Editionと完全に同じ立ち位置ではなく、「検証・評価を目的とした無償版」として設計されています。Enterprise Advanced Editionで提供されている機能を一部試せる、検証向けEditionという位置づけに近くなっています。
そのため、「無料で長期間運用する」というよりは、「Playbooksを試したい、AIや高度機能を試したい」といった検証用途を意識した構成になっています。
Team Editionとの違い
一番大きい違いは、機能そのものというよりも「何のために使うEditionなのか」です。
v11では無償版の整理が行われており、利用できる機能や条件にも違いがあります。
整理すると以下のようになります。
| 項目 | Entry Edition | Team Edition |
|---|---|---|
| 料金 | 無償 | 無償 |
| 提供形態 | 検証・評価向け無償版 | OSSベース無償版 |
| 利用人数 | 50人まで | 250人まで |
| GitLab SSO | ○ | × |
| Playbooks | ○ | × |
| メッセージ履歴 | 10,000件制限 | 制限なし |
| AD / LDAP連携 | 一部制限あり | × |
| 一対一通話 | 40分制限 | 制限なし |
| グループ通話 | 40分制限 | × |
| 想定用途 | 検証・評価用途 | OSS利用・技術検証 |
一見するとEntry Editionのほうが機能が多く見えますが、実態としては「用途が異なる2つの無償版」という整理のほうが分かりやすいかもしれません。
GitLab SSOとPlaybooksの扱い
これまでTeam Editionでは、GitLab SSO、Playbooksを無償で利用できていました。
しかしv11以降は、Team Editionではこれらの機能が利用できなくなり、Entry Edition側で利用する構成になっています。
その代わり、Entry Editionには利用人数制限(50人まで)が設定されています。
つまり全体としては、次のような流れです。
- 無償版で利用できる機能が整理された
- そのうえで検証用途としてEntry Editionが用意された
- 本格利用は有償版へ
特に影響が出やすいのは、GitLab認証を利用している環境、Playbooksで運用フローを組んでいる環境です。
これらはアップデート前に確認が必要なポイントになります。
Entry Editionはどんな位置づけ?
Entry Editionは、“企業向け無償版”というよりも、より正確には、「検証・評価のために設計された無償エディション」という位置づけです。
そのため、
- GitLab SSOの動作確認
- Playbooksの検証
- AI機能評価
- 実運用前の構成確認
といった用途に向いています。
一方で、「利用人数制限(50人)」、「メッセージ履歴制限」、「AI利用制限」があるため、長期的な本番運用を前提とした構成ではありません。
無料版(Team Edition)がなくなるわけではない
Entry Editionが追加されたことで、「Team Editionはなくなるのでは?」と思われることもあります。
ただ、Team Edition自体が廃止されるわけではありません。
引き続き、OSSとして自由に利用したい、技術検証環境として使いたい、制約なしでシンプルに運用したいといった用途で利用されています。ただしv11以降は、GitLab SSOやPlaybooksの扱いが変わっているため、既存環境では一度構成を確認しておく必要があります。
また、OSS版であるTeam Editionは、自社運用に合わせてカスタマイズしやすい点も特徴です。
例えば、通知連携の調整、独自システムとの連携、プラグイン活用、オンプレ環境に合わせた運用設計など、自社要件に合わせて柔軟に構成できることから、実際に、開発部門やオンプレ運用を重視する企業で採用され続けています。
まとめ|無償版は「用途別に分かれた構成」へ
Mattermost v11では、無償版が単純に増えたというより、役割が整理された形になっています。
- Entry Edition:評価・検証向けの無償版
- Team Edition:OSSベースの無償版
特に、GitLab SSO、Playbooks、利用人数上限(1,000人→250人)は運用に影響しやすいポイントです。
そのため現在、無償版を利用している企業では、「v11へアップデートできるか」だけではなく、「アップデート後も今の運用を維持できるか」まで含めて、一度整理しておくことが重要です。
特に、現在Team Editionを利用している企業から次のような相談も増えています。
「v11へそのままアップデートできるのか」
「現在の運用を維持できるのか」
「どこまで無料版で継続するのか」
また、OSS版を前提に、自社運用に合わせたカスタマイズや外部システム連携を検討する企業もあります。

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